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2008年11月15日 (土)

世界を「市場」から「規制」に押し流した1ヶ月間

中億公論 2008 12

[ワシントン、レポート]
世界を「市場」から「規制」に押し流した1ヶ月間
加瀬みき アメリカエンタープライズ政策研究所客員研究員
かせみき 1955年東京都生れ
上智大学外国語学操業 フレッシャー法律外交大学院修了
東京銀行勤務 スタンフォード大学ワシントン校客員研究員を経て
現職 
著書に「大統領死 日本国首相の極秘ファイル」

#「この危機から誰も逃れることはできない。皆の問題だ。そして解決には皆の協力が必要である」ゴードン、フラウン英国首相

#1セクターの問題から危機へ
今回の金融危機は70年代や80年代、あるいは日本のバブル崩壊やアジア危機とも全く違う。初めてのグローバル時代の金融危機である。

#意表をつかれたアメリカの反応
9月18日にヘンリー、ボールソン財務長官が金融機関の抱える問題資産を買い取ると言い7000億ドルの金融機関ベイル、アウトを議会に提出した。パラシュウトでの緊急脱出を意味する「ベイル、アウト」はまさにパイロット、つまり金融機関の経営責任(CEO)が助かって、飛行機つまり金融機関、搭乗者ともに墜落するという印象を与えた。

#規制の遅れは危機回避を防げたか
ファニー、メイとフレディー、マックに対する規制強化
監督機構の権限強化を、下院金融サービス委員会の法案
何らかの規制の必要性を訴える
しかし
 グリー、スパン下院議長
 ルービン財務長官
 レッビト証券取引委員会委員長
は強硬に反対する
米証券取引委員会(SEC)
2004年持株会社に関する自主規制
AIGが破産の恐れから国有化

#やっと腰をあげた欧米諸国
グローバル金融危機という事態に思い切った、それも市場主義に一見反するような施策を打ち出した。欧州そして米国も含め先進国が一致して施策を取るきっかけを作ったのはブランウン英首相だった。1月8日?

 銀行に公的資金投入
 マネーマーケットへの資金投入
 金融機関の中期債務保障に総額5000億ポンド投入
大規模かつ包括的対応策発表

#新金融、経済体制構築への動き
戦後のブレトン、ウッズ体制が英国人ケインズのイニシャチブで動いたように、グローバル時代の新体制構築への動きも欧州があまり乗り気のはしないアマリカを引っ張ている。
新体制の原則を
 透明性
 銀行業務の健全化
 責任
 誠実性
 グローバルガバナンス

第1回のサミットは11月15日ワシントンで開催される。
G8、中国、ブラジル、オスロラリヤ、韓国、トルコ、サウジアラビヤ、
EUなどG20と国際機関が参加する。

 

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