巻頭企画 閉塞する日本政治
潮 2009 4 巻頭企画 閉塞する日本政治
世界と日本の進路 24
政治リーダーに求められる「構想力」と「発信力」
御厨貴 みくりや・たかし 東京大学教授 1954年東京都生まれ
東京大学法学部卒業・都立大学教授・政策研究大学院大
学教授などを歴任。「オーラル・ヒストリー」に着目し研究を
進る。著書に「政策の総合と権力」(サントリー学芸賞受賞)
「馬場恒馬の面目」(吉野作造賞受賞)など多数.。近刊に
「表象の戦後人物誌」
日本政治を覆う閉塞感の原因は何か
小選挙区を導入したこと自体が間違いだったのではないかという
議論が起きてもおかしくありませんし、そういうなかで政権選択を
しなければならないということが、いまの日本政治を覆っている
閉塞感の最大の原因だと思う。
また、当選した後、所属政党変えるというのは有権者に対する
愚弄以外の何者でもない。政界再編はいろいろいわれながら、
総選挙を目前にしたいまなおその姿が見えないのは、これもま
た閉塞感をつのらせている大きな原因といえよう。
政治家・政党が変わらなければならない
野党のやり方は時代錯誤だと思う。野党が本当に政権をとろうと
思うなら、生産的な論議をすることによって政権担当能力がある
ことを国民に示すべきではなかろうか。
相手をリスペクト(尊敬)するといることがないと政党政治は機能
しない。
自らの信念と構想を堂々と語るべき
いまや政治とメディアは表裏一体の関係にある。政治が変わら
ないからメディアが変わらないとうる面もなるが、メデイァが変わ
らなければ政治も変わらない。いま政治リーダーに求められるの
は「構思力」と「発信力」である。リーダーは細かいことを語る必
要は無い。自らの「信念」と「構想」を堂々と語ることである。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 大阪市長選挙について(2011.11.19)
- 東海・西日本を三連動地震・津波がおそう 今村文彦(2011.07.06)
- 忘れられた町 救援も報道もこない町がある 江川紹子(2011.07.05)
- 鼎談 日本人 戦艦大和と福島原発 半藤一利・保坂正康・戸高一成(2011.07.04)
- 特殊 福島の苦悩と焦燥 佐藤 栄佐久 前知事が語る「福島再生」(2011.07.01)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント