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2009年11月 1日 (日)

誰もが気がつかなかったグローバル化の本当の恐ろしさ

文藝春秋 十一月号 リーマンショックの後の「経済白書」②

誰もが気がつかなかったグローバル化の本当の恐ろしさ

浜 矩子(はま のりこ) エコノミスト

それは、前回、論じたような「政治経済は変えられない」からだ。
言いたいのは、経済や社会の動きが政治のあり方を決めるのであって、その逆ではない、ということだ。
政治にできること、やるべきことは、経済の動きを分析いて対応することだ。
前回、私は自民党と民主党のマニュフェストの根本的な欠陥として、現状分析と歴史認識の欠如を挙げた次第である。
何を何の為にやるのか、そこに一つの明確な筋が通っていてこそ政治であり、政策であろう。
#経済学は謎解きの科学である
 経済学の使命は「今、何が起きているか」を歴史的な考察の上に
 正確に捉えることにある。経済学はいわば謎解きの科学であり、
 目下の事件の真犯人を突きとめることが本分だ。
 2008年9月のリーマンショック後の日本の対応は、まさに正確
 な診断を欠いた治療の典型だった。

#すべては二十年前に始まった
 今から二十年前の1989年、東西冷戦の世界経済の終結によっ
 て、世界経済のグローバル化が本格的に始まった。
 これまでのルールが通用しない弱肉強食の世界経済が出現した

#グローバル化は外からやって来なかった
 「貯蓄から投資へ」の合言葉とともに広がった日本の家計の投機
 熱である。ミセス・ワタナベ 金融の知識に乏しいまま自宅で外国
 為替証券取引(FX)の投資家とは日本の主婦たちを象徴的に言
 わせた言葉だ。

#政府は「月光仮面」たれ
 皮肉なことに日本経済は見事にグローバル化に適応し初めてい
 た。そこに現在の事態が起きたのである。たとえば震源の一つは
 トヨタである。たとえば、貿易黒字、これまでは貿易黒字は国民
 を豊かにするうえでプラスに評価されていた数字だった。
 国境を超えて、企業が経済活動している今、黒字は意味のある
 数字だろうか?
 為替レートも、GDP(国内総生産)もしかりである。
 しかし、私はそれでも國、政府には重要な役割が残されていたと
 考えている。それは的確な現状分析を踏まえて、的確なときに出
 現する「月光仮面」的役割だ。
 私はリーマンショック以後の世界は、「國破れて山河あり」の時代
 と考える。「國」=政府の力が弱わまっても「山河」=人々、自然
 環境、そして日本の文化がしっかりと残ればいい。
 グローバル化された世界経済n中で、いかに「山河」を守り、自分
 たりの住みやすい場所そして育んでいくか。そこに「では、どうすれ
 ばいいのか?」の答えが隠されている。

  
 
 

 

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