「大学の敗北
中央公論 2010 2 大学の敗北
大学の敗北
1.<横並び主義が学問を殺した>東大は「世間」に背を向けよ 養老孟司 解剖学者
「敗北」という言葉は、「負けて相手に背を向ける」ことに由来する。(「北」にはもともと「背を向ける」という意味もある)
10年ももたずに定員割れしてしまう四文学部の乱造、法科大学院をはじめとした大学院の無計画な大幅拡充。ビジネスのプロだったはずの株式会社大学による稚拙な経営・・・。
この10年間、大学が取り組んできたことは、学生を、そして日本社会を本気で見つめたうえで計画されたことだったのだろうか?
「文部科学省がお金を出してくれるから」「不況で資格取得が学生に人気みたいだから」。
そんな理由で大学経営の舵を切ってきたように思える。
教育産業という側面がある限り、少子化の影響を受けないはずがない。入学者が集まらないこともあるかもしれない。但し、だからと言って、その現実から目を背けて安易な日銭稼ぎに走るのはいかがなものだろう。
次に待っているものは、まさに大学の「敗北」。それだけである。
# 情報流通産業としての大学は、もういらない。
# 「実学」教育から始まった。
# 足腰が弱ってしまった。
# 学生を「バカにする」東大医学部。
# ウソで固められた教育の世界。
# 大学も「世間」の一つになった。
2.学生を路頭に迷わせた「失敗」の履歴 小林哲夫 教育ジャーナリスト
# 続出す定員割れ大学
# 「とりあえず大学へ」が誰でも許される時代
# なりふり構わぬ拡大路線
# 薬学部バブル到来と入学者のレベル低下
# 学部を設立しても10年もたない
# 「不良債権」学部設立を担保する株があるのか
# 「なめている」としか思えない大学設置計画も現れた
# 自らの経営も満足にできない経営者養成大学
# 疑問の残る留学生受け入れ計画
# 退学者数の公開から見えてくる学生のリアル
# 終わらない大学バブル
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