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2010年2月16日 (火)

特別企画「10年後の日本」復活のシナリオ ファーブルに学ぶエコライフ

文藝春秋 2010 二月特別号

特別企画「10年後の日本」復活のシナリオ

ファーブルに学ぶ エコライフ 福田伸一 分子生物学者・青山学院大学教授

生物こそ「足るを知る」の達人

「昆虫記」が生命観の宣言
これを生物学用語で「ニッチ」と呼ぶ。ニッチはには本来的に間隙の意味ではない。
すべての生物が守っている自分のためのわずかな分際=生物的な地位のことだ。
棲み分けは特に、バトンタッチの場所でもあり、流れの結節点となって、物質とエネルギーと情報の再現、すなわち生態系存在の動的平衡を担保している。
あえて今、ニッチを「分際」と現そう。

「「分際を知る」
ファーブルに学ぶべきもの。それは死を記録するのでなく、生を探ること、自分の分際を知り、足るを知るということである。
私たちに必要なのは数値的目標ではなく、生命観、自然観をめぐるパラダイムの転換である。

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