特集 サヨナラ日本神話
中央公論 2010 4 APRIL 特集 サヨナラ日本神話
日本が世界第2位の経済大国となったのは1968年のことであった。世界一の品質のものづくり、優秀で責任感をもった官のシステム、均質の社会と勤勉な国民性。かって、高度成長の要因として内外から指摘された日本の特質は、長い成功体験の間に、日本人自身が自らの優越性の印と信じ込むようになった。
そして、いつまでも経済成長は続き、やがては遠くない将来、アメリカを抜いて世界一の経済大国になると当然のように語り合われたのである。
しかし、今、われわれ日本人が目の当たりにしている風景は何であろう。
品質不安にいつまでもたっても対応しきれない、トップメーカー、官僚の堕落、検察の暴走、格差社会と希望の喪失。トッツを目指すNO,2の座は中国のものになった。
かっての自己イメージは、日本の本質ではなっかた。それでも日本の優秀性の危機が叫ばれるのは、ます幻想の中にいるからだろうか。この現実から先に進むには、自ら神話の解体を行わなければならないのだろう。
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