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2010年11月24日 (水)

特集「尊厳」と「実り」ある最期に向けて 死ぬまでにやっておきたいこと 安らかな最期など絵空事そ知る 久坂部羊

中央公論 2010 12 特集「尊厳」と「実り」ある最期に向けて

死ぬまでにやっておきたいこと

安らかな最期など、絵空事と知る

日下部羊 くさかべ・よう 医師・作家

私は医師として、病院や在宅で多くの患者の死を看取ってきたが、満足して死んな人など見たことがない。
即死でないかぎり、死の直前には「死戦期」という時期があって、血圧が下がり、意識が混濁して、あごを突き出す「下顎呼吸」がはじまる。その時間はだれしも「死」という人生最後の大仕事を完遂するために必死に喘ぐわけで、あれをやっておいてよかったとか、これをしたかったとか、考える余裕はまずない。

人生を振り返って満足を感じながら安らかに最期を迎えるなどということは
絵空事である。

在宅医療の経験から、高齢者は食欲がなくなり、水分も摂らなくなって乾いて死ぬのがいちばん楽そうだが、たいていは家族が点滴などを求めて、わざわざ苦しい時間を引き延ばす。

終末期医療に対する誤解、何もしないことへの後ろめたさな、このまま死なせていいのかという不安などからそうさせるのだが、死を妨害すれば本人は苦しむばかりだ。

悲観的なことばかり書いたが、そてくらいに思っておいたほうがいい。
そうすれば、少しは楽な死を迎えられるかもしれない。

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