特集 「尊厳」と「実り」ある最期にむけて死ぬまでにやっておきたいこと 愛憎を捨てて 身軽になりたい 曽野綾子
中央公論 2010 12 特集
「尊厳」と「実り」ある最期に向けて
愛憎を捨てて 身軽になりたい
曽根綾子 その・あやこ 作家
多分日本人と他の先進国人だけが
人間の死を「尊厳ある」形で迎えられ
ると思っているのではないかと思う。
もちろん誰もが人間らしく遇されて死
ぬことは理想だ。しかし、現在の世界
には尊厳ある生も死も、ごく稀だ。
私は自分だけが尊厳ある死を望んで
はいけないような気がしている。
ただ、死期を不当に延ばさないこと、
痛みを取ってもらえること、
最後に看観をしてくれた人に私が
「ありがとう」と囁けること
もの三つができれば望外の幸せだ
が、それができなくてもお許しを頂こ
うという気分である。
まず自分の老いが社会のお荷物に
ならないことそ目指している。
真っ先に捨てたいものは「思い出」
の品々、ついでに残りの愛憎も忘れ
て、身軽になりたい。
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