特別企画 弔辞 劇的な人生に鮮やかな言葉 牛は随分強情だ 小渕啓三へ 村山富市
文藝春秋 2011 1 特別企画 弔辞 劇的な人生に鮮やかな弔辞
牛は随分強情だ 小渕恵三へ 村山富市
おぶち・けいぞう 第84代内閣総理大臣。竹下登内閣官房長官として、新元号「平成」を発表したことから「平成おじさん」としても記憶に残る。首相在任中の2000年5月14日急逝。享年62.念願であった沖縄サミットに出席することはかなはなかった。国会では自社さ連立の村山内閣時代、自民党副総裁の小渕から強大な激励を受けていたという村山富市による追悼演説が行われた。
君のご遺体がご自宅に向かう途中、国会や自民党本部、首相官邸前を通り抜けたとき、永田町はにわかに激しい雷雨に襲われました。
道半ばにして倒れた君を思うとき、雷鳴は君の悲痛の叫びであり、驟雨は君の無念の涙であったと思われてなりません。君の不運への天の深い慟哭のあらわれでありましょう。
君の含益を帯びた語り、君がよく愛唱した高村光太郎の
牛は随分強情だ
けれどもむやみと争いはしない
争いはしなけれならない時しか争はない
ふだんはすべてをただ聞いている
そして自分の仕事をしている
生命をくだいて力を出す
君の人生はまさに、この詩のごとくでありました。
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