特集 震災2ヶ月にいま、考えること 東北処分の歴史を繰り返すな 戊辰戦争の教訓と福島原発事故
中央公論 2011 JUNE launched in 1887 6
特集 震災2ヶ月のいま、考えること
東北処分の歴史を繰り返すな
戊辰戦争の教訓と原発事故
野口武彦 文藝評論家
# ポスト安政江戸地震と現代
巨大災害は一国の政治経済、社会生活、世相風俗に
潜在している諸要因をいっきょに顕在化する。
なかんずく巨大地震の破壊力は、地殻基盤と社会基盤
とかたんなる類比ではなく同一の震動モードで共振する
事象をさまざまと示している。
つまり、安政江戸地震から大政奉還への12年間と
阪神・淡路大震災から民主党による政権交代という
点からすれば、酷似しているように見える。
# 歴史は繰り返すが・・・・・
幕府が地震後12年にわたって庶民につちかったラディカル
な能天気、為政者への期待感ゼロ状態とことに徹底的な
政治的無関心が広がった。そして明治維新を迎えた。
一方、現代に目を向ければ、2009年9月には「政権交代」
への過剰な期待として民主党はおろか国民の一部にまで
第二の「明治維新」的な幻想が広がった。
しかし、現状は<明治維新のきざしすら見えぬ幕末>
状況である。
# 「想定外」の事態とうろたえるリーダー
タイプでもスケールも違っているし、地震のみならず
大津波、さらに福島第1原子力発電所の事故によって
甚大な被害を及ぼし、今まさに「想定外」に事態に直面
しているのだ。
# 戊辰戦争といる人為災害
# 「会津においては、死謝の外これなし」
# 奥州越後同盟とその崩壊
# 過酷な東北処分
仙台藩は62万石を没収され、28万石を与えられた
二本松藩は10万石を5万石に減少された
会津藩は元領の83万石を没収され、3万石を与えられ
会津盆地を追われ下北半島の僻地に押し込めるといった
懲罰的な処置であった
# 失望感の末路
維新のきざしなき現代の日本において、東日本大震災が
大きな転換点であることには間違いない。
日本中にくすぶtっている為政者への深い失望感を軽く
見る事は出来ない。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 大阪市長選挙について(2011.11.19)
- 東海・西日本を三連動地震・津波がおそう 今村文彦(2011.07.06)
- 忘れられた町 救援も報道もこない町がある 江川紹子(2011.07.05)
- 鼎談 日本人 戦艦大和と福島原発 半藤一利・保坂正康・戸高一成(2011.07.04)
- 特殊 福島の苦悩と焦燥 佐藤 栄佐久 前知事が語る「福島再生」(2011.07.01)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント